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栗山英樹


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【初対談】侍ジャパン・栗山英樹監督が森保一監督に78分真剣相談「悩んでいるのは当落線上にいる選手…」


3月に開幕するWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の侍ジャパンを率いる栗山英樹監督(61)とサッカーワールドカップカタール大会で日本をベスト16へ導いた森保一監督(54)の対談が初めて実現した。世界を相手に戦う両指揮官が、気になる選手起用についてや代表監督としてチームを牽引する悩みをぶつけ合った。

栗山監督: 監督、ゆっくり話をさせていただくのも初めてで。本当に初めてお会いさせていただくんですが、今回の特にワールドカップはずっと集中して見させていただいて、何かずっと、今まで話をさせていただいたぐらいの感じのイメージがあるんですが。今日はよろしくお願いします。

森保監督:
宜しくお願いします。本当に敬語をやめてください(笑)。応援ありがとうございました。

栗山監督:
とんでもないです。


「監督の立場で見ていると吐きそうに…」

栗山監督:
あれだけの戦いをされて、それでちょっと時間があって、また日本を4年間支える、背負うということなんですけど、正直今ちょっとこう間が開いているところで、本音としては「いや、俺頑張ったな」と思われてるのか。それとも何か次のことが気になってしょうがないとか、どういう感じなんですか。

森保監督:
正直悔しい思いの方がすごく強い、強いですね。ただ、サポーターの皆さんであったり、国民の皆さんが日本代表の戦いを見てくださって、喜んでいることを見させていただいて。我々が戦う意義、やはりサポーターや国民の皆さんのために、日本のために戦って喜んでいただくということが大切だと思うので、そこは素直に喜ばせていただいて。皆さんの笑顔が我々の喜びにつながっているなというのを感じさせていただいてます。

栗山監督:
いやぁ、確かにそうですね。監督の立場からすると目標に達してないというのはあると思うんですが、ただこれだけ日本中の人に元気とか勇気とか力とかを与えてもらえる何かその大きさって言うか。僕は実は気持ち悪くなってきちゃって、監督の立場で(試合を)見ていると。先にやっぱり強いチームにリードをされるわけじゃないですか、これってなんか、僕なんか、吐きそうになる。

森保監督:
どこかのメディア上で栗山監督のそのコメントを見ました。

栗山監督:
監督自身はあの時はまだ冷静ではあるんですが?「こういう展開はあるな」みたいな感じなんですか?

森保監督:
そうですね、わりとこう感情の波はなく、冷静に入れてると思います。相手も強いですし、何て言うんですかね。押される展開もある。

栗山監督:
イメージはしていたから?

森保監督:
想定してやっていますので、こういう展開もあるなとは思いながら僕は戦ってますね。

栗山監督:
冷静にこのまず、1点いかれても、このままキープできていれば、終盤勝負にいけるんだっていう感覚なんですか。

森保監督:
そうですねはい。もうおっしゃる通りです。理想はスタートから圧倒すれば理想ですけど、世界のトップになかなかその理想的な戦いは難しいなというのは、もう試合の前にも覚悟していて。試合の準備の段階から、そして試合の直前のミーティング等々でも、選手たちに「難しい戦い、厳しい戦いを覚悟して、我慢強く、粘り強く」っていうことを忘れずに試合を進めていこうと。ただ我々が集中を切らさずにチームとしてのつながりを持って最後まで戦えば、必ず勝つチャンスは出てくるということで試合に臨んでいたので。まずは、切れずに戦うことが大切かなとは思ってました。


「代表監督は自分のイメージをチームに伝えるべきですか?」

栗山監督:
監督の頭の中を・・・僕ももちろん初めてなので、代表チーム。ある程度こう、イメージしていることは選手に伝える、ちゃんと伝えるべきですか?伝えた方がいいですか?

森保監督:
そうですね。その試合で起こるであろうという監督としての想像は伝えてもいいのかなと思いますね。その想像も当たるかどうか分からないので。そうでなくなった時のプランB、プランAがダメだったときのプランB、プランCみたいなところは柔軟に対応できるようにっていうことで。監督コーチから別プランを準備するということと、やはり野球もサッカーも同じだと思いますけど、プレーしている選手たちが相手との駆け引きの中で臨機応変に対応するっていうところは絶対に持たなければいけないと思いますので。自分たちが準備してるプランと臨機応変に対応する部分は持っておけるようにということを働きかけはしていると思いますね。

栗山監督:
そういう意味では監督が言われた通り、苦しくなった時に・・・まあ、僕は自分のプロ野球のペナントレースっていう感じの経験なんですけど、こっちは最後まで諦めずにチャンスがあるんだと思って、試合をこう進めていく。ベンチの選手たちはやっぱり分かりますよね、展開を読んじゃって「今日はダメだな」って。その空気が一番嫌で。そういうところってもちろんありますよね。

森保監督:
そうですね、あると思います。何となく見てたら、やっぱ現場の空気感っていうのは。データには出てこないですけど、何となくこう伝わってくるところはありますので。ワールドカップに関してはまったくその空気はなかったですね。

栗山監督:
絶対勝つんだって、みんな一緒なんですね。

森保監督:
リードされている時は「勝つんだ」っていうとこまで行ってないかもしれないですけど。でも「追いつくんだ」っていう「1点取るんだ」っていう気持ちを全員共有できてたかなと思いますね。あと、私は鈍感力があるのかもしれないですけど、ベンチが何か変な空気だっていうことは、代表で戦っている時に感じたことはそこまでないですね。 ゼロではないですよね。何試合か、ちゃんとアップしてないなと試合に入りきれてないなっていうのは見たことありますけど、本当に少ないです。

栗山監督:
そこはやはり本当に魂というか、心の部分を100%、みんな同じ方向を向いているっていう感じ。

森保監督:
そうですね。はい。

栗山監督:
例えばサンフレッチェで監督をやるとか、Jリーグのチームとの戦いの時は多少。そこは違いはあるんですか。代表ってやっぱり代表だからなのか。それでも監督がやられるとみんなそこは全然ないですよという感覚なのか。

森保監督:
感じる能力を持ってないかもしれないです(笑)。

栗山監督:
いえいえ、とんでもないです。監督がやられるとそうならないんですね。それも凄いですね。

森保監督:
あるとは思いますけど、こういうストレス抱えている選手、みんな試合に出たいんで「なんで俺が試合に出れないんだ」っていうのは絶対あるじゃないですか。まぁ、あるとは思いますけど、でもなんかこう準備はちゃんとやってくれているとか。苦しいながらも、ストレスを抱えながらも、チームとしてはやる姿勢を見せてくれているっていうところを、頑張ってやろうとしてくれてるなっていう感じには、今までは思えてきていますので、クラブと代表との違いももう大きくは感じないんですけど。より代表となると、違った魂で、またこうワンランク上の魂で戦うっていうのを自然とあの試合前の君が代、国歌を聞いた時に歌った時に自然と魂が注入されますね。

栗山監督:
やっぱりそうなんですね。

栗山監督:
いや、何かあの日本代表の戦いがこう心に落ちてきます。何でああいう風な、ある意味、凄い戦いになったのかっていうのは、監督の思いが選手達にきちっと伝わってて、監督は簡単に言われますけど、多分4年間の準備で自分の思いとかコミュニケーションとかをしっかりとられたんだなっていうのをすごく感じてて。あの戦いが「なるほどだからか」みたいな。そんな感じで聞いてたんですけど。


「日の丸を見るだけで涙が出そうで…」

栗山監督:
野球って意外と、国歌って毎日試合の時にパ・リーグなんかは流すんですね。意外と国歌が普通になりすぎて、こう何て言うんですかね。流れの一つになっちゃうのはちょっと嫌で。僕もその国歌斉唱っていうのはこだわって選手をもう一回きちんと、今回、合宿の時から伝えたいなという風に思ってたんですね。そこはもう選手たちは当たり前に持っている感じなんですか。

森保監督:
そうですね、思っていると思いますね。特にベテランの選手は、経験のある選手たちが、若手にチーム全体に「国歌を歌うぞ」って。試合前から日の丸を見ながら、もう「国のために戦うんだ」という雰囲気づくりをしてくれますね。後は、私自身の経験で、出場回数は少ないんですけど、代表で選手としてもプレーさせてもらった時、初出場だった時に、やはり国歌と日の丸が全くそれまでと別(だった)。

栗山監督:
そうですか。

森保監督:
もう日の丸を見るだけでももう涙が出そうで。気持ちがこう上がってくるみたいなところ、日本人のこう何て言うんですか・・・魂と誇りと喜びがこう溢れ出てくるみたいなっていうのは、また、WBCでも皆さん自然と出てくる感情なんじゃないのかなと思います。


「魂をぶつけた」選手起用

森保監督:
海外で活躍するスター選手も多い中で、選手とのコミュニケーションをどうとられているかっていうことと、選手の個性を生かした起用の仕方をすごくされていると思うので、ポイントとなる考え方を教えていただきたいなと思います。

栗山監督:
今回のWBCの場合は本当に1発勝負で、実は11月に練習試合を4試合やっただけで、もうそこで本番なんで、実を言うとコミュニケーションをほとんど取れてないっていうのが現状。個々の能力を生かすしかないっていうのがまず前提としてあったので、とにかく僕の魂というか、一人ひとりの選手に、一緒にやった人もやってない人も「俺、日本の野球って今こういう状況だ。こんな風に一緒に戦いたいんだ」っていうのをただぶつけただけなんですけども。ただ、やっぱり責任のある海外のダルビッシュ有投手(36、パドレス)であったり、大谷翔平選手(28、エンゼルス)だったり、鈴木誠也選手(28、カブス)だったり、彼らはその状況を僕よりも理解してくれてて、非常にスケジュール的にはちょっと難しいスケジュールなんですけど「いやいやもうそのことはもちろん分かってます」と。だから「スケジュールさえ許せば、もう日本野球のために行きますよ」って。それは何か本当に体ごとぶつかっていきましたけど、何か僕よりも理解してくれてたって言うか。そんな感じだったんですね。


大谷翔平を二刀流起用した裏話

森保監督:
大谷さんを日本で二刀流でお使いになったのも、大胆な発想と大胆な采配だったと思うんですけど、まずその起用の仕方の発想につながったところは、どういうことなのかなとお聞きしたいです。

栗山監督:
元々、常識とか、過去こうだったとかっていうのが、あんまり好きなタイプではなくて、翔平の場合はちょっと特に特別で。彼を高校時代から見てて、接点もあったんですけど、投げるのと打つのが本当に二人いる。本当に「4番でエース」になれるというふうに僕は高校時代を見ていて、二刀流をするというよりも、どっちかをやめさせちゃう・・・例えば、今のヤクルトの村上(宗隆)選手に「バッターやめてピッチャーやりなさいよ」というような感じなんですよ。ですから「誰もどっちか殺すわけにいかないでしょ」っていう感覚だったんですね最初は。一緒にやってみて、行けるところまで行きたいと思って見てましたけど。

森保監督:
周りが見ているよりも、やはり近くで一番、一番近くで見ている人が、その選手の能力が分かるというのを、今お聞きできて良かったです。何かこう表向きにこう発信することではなく、やはり一番近くで見ている人が一番分かるんだなという。そこは監督としてもすごく共感が持てるところであります。

栗山監督:
普通「これ二刀流無理かな」ってちょっと一瞬、思うケースって出てくるかなと思ったんですけど、本当に1回も思わなくて。本当に2つできるんじゃないかという風に思わせてくれた選手だったんですね。

森保監督:
私自身も今すごく学びになりました。やはり過去にとらわれずに、その選手とチームにとっていいことを、パワーとなることを決断するということの大切さを教えていただきましたし、何よりもやはり選手たちの良さを消さないように、っていうところはすごく勉強になります。


「当落線上の選手の選び方、チーム編成のやり方」

栗山監督:
あとは監督。今、僕が迷っているのは、代表に入るか入らないかっていう線上にいる選手がいて、この決断ってもちろんいろいろなシミュレーションをしながら「こうなったらこうだこうだ」。それでも情の部分というか、感情の部分で「こいつ入れてやりてえな」みたいなのあるじゃないですか。それってどう処理してるんですか?

森保監督:
めちゃくちゃありましたというか、毎回あります、代表の活動ごとに。一番大切にしているところはチームファーストで決めるという。そこは信念を持って、決めていこうということで。チームファーストが選手ファーストになり…すみません、ファーストがいっぱいあってあれなんですけど(笑)。 チームファーストが日本ファーストにもなるっていう。「チームのために」が選手のために、「チームのために」が日本のために、となる選択をできるように、ということで考えてます。私一人だけで選手の選考をしてないですし、全体的にはコーチと何度もディスカッションをしながら、普段の視察してきたこと、活動してきたことを総合的に考えて決めていくので。だんだん最終的に何人かってなった時には監督案件になってくる。

栗山監督:
そうですよね。

森保監督:
考えられるだけ考えて、そこでタイムリミットが来た時に決断をするということを常に実践していきたいなと思ってますし、実践してきたと思ってます。

栗山監督:
個々の能力、特徴というのがある中で、それでもチームプレーというか、自分を殺してでもチームが良くなるような方向に行きやすい選手と、どっちかというとそれでも個を出していきたいっていう。それはやっぱり野球はあると思うんですけど、サッカーもあるんですか?タイプによって。

森保監督:
あると思います。もう同じだと思ってます。今回のワールドカップで言えば、26人招集した中で4人選手を使ってないんですけど、出場する機会を与えてあげられなかったんですけど。それも含めてやはりこう全員ニュートラルには見ますけど、何て言うんですかね、チーム構成の中での序列はやはりもっておかなければいけない。序列はいつでも変わるものですけど、今回であれば、メンバー選考する時の全体のチーム作りと序列というものは持った上で、また調子を見て変えていくみたいな。 色々サポートに回ることが多くなるだろうなっていう選手も含めて、色んな組み合わせを考えてチーム編成をしましたし、ひょっとしたら、このグループに入ってもらうだけでも次につながるな、その選手の成長につながるなっていうことでの招集なども今までもしてきました。


村上選手って「22歳とは思えない」

森保監督:
この間、ちょっと仕事でご一緒させてもらった村上さん。若いんですけど、めちゃくちゃ落ち着いてますね。

栗山監督:
落ち着いてましたか、やっぱり。僕も11月初めて一緒にベンチに入って、ちょっと22歳とは思えなかったですね。例えば、相手のピッチャーがオーストラリアのピッチャーで急に出てきて、こういう特徴がありますってところの狙い球の絞り方とか、捨てる球とか、要するに考え方もそこへの向かい方も物凄く理にかなっているというか。何でこの年でできるんだろうという。

森保監督:
22歳ですか?その若さでこの落ち着きはなかなか醸し出せないなっていう感覚は受けました、話していても。あとこう、なんですかね、自分を律することができて、普段何をやってるかっていうのは勿論わからないんですけど、その短時間での会話の中で、野球をする自分のパフォーマンスを発揮する為に、凄く理にかなった、論理的に積み上げていける準備はできる選手なんだなっていうことはすごく感じましたね。

栗山監督: あまりにもやっぱり能力が高いんで、あれだけホームラン打って打率も残るという。ボールが凄く動きだしたんで、長距離と打率っていうのがなかなか一緒にならない選手が多くなってきたんですけど、本当に併用していく。近藤(健介)という選手が今回選ばれて、ソフトバンクホークスにFAでいくんです。近藤なんか、僕は一緒にずっとやってきて、もう本当にそういう分析から技術からもう最高に考えられる選手で。後ろでずっと村上選手と話してるんですよ、試合中に。「あのピッチャーだったらこうだよね」とか言って。後ろにいって試しているんですよ。そういう会話が近ちゃん(近藤)としているんだ。近ちゃんと話せるんだぐらいの。もう僕の中でナンバーワンだったので。そんなレベルだったですね。


「スポーツってそういうものなんだ」

栗山監督:
本当に僕らも、監督含めて代表の試合を見させてもらって、サッカーのレベルはもちろん世界に近づいていったっていう。もちろんそのことは素人的にも理解はできる、それ以上に日本人として、人としてどうあるべきかみたいな。例えば次の世代だったり、周りの人たちに対してとか、何かそういう思いみたいなのをみんなが感じて、こんなに一生懸命生きなきゃいけないんだっていう、なんかすごく大きなメッセージだった。 我々に一番必要な、日本の国の一番必要なものを見せてもらったっていうか。スポーツってそういうものなんだなというふうに僕なんかは捉えたので、監督が作ってくれた流れを生かさせてもらって、このまま3月、それを持ち込んで、何とかそれを引き継いでいけるように。ですからもうサッカーとか野球とかそういうことではないのかな。そんなことをすごく教わったなっていう感じ。

森保監督:
いや、教わったなということはないと思いますけど、選手たちが頑張ってくれたんで。でも本当に私自身もそう思ってます。私はサッカーに携わる者として、サッカーですけど。でもスポーツ全般として、スポーツでなくても、日本の社会に貢献できるものが全てだと思ってますし、スポーツがどれだけ社会に貢献できるのかっていうことをサッカーからいろんな方に感じていただいて、お伝えできればなと思っているので。去年のカタールのワールドカップの時にいろんな方にこう喜んでいただけて、そして日本が一つの話題で一体感が持てる、一丸になれるっていうところを、この2023年のWBCであったり、他のスポーツの世界大会で日本代表を応援しようということにつながれば一番嬉しいなと思ってます。


(出典:TBS NEWS DIG Powered by JNN)
             
サッカーと野球、競技の枠を超えて同じ代表監督という立場で語り合った対談!どちらも互いにリスペクトしているのが伝わる内容。カタールW杯の森保ジャパンに続き、3月のWBCでは栗山ジャパンが日本に勇気と希望を与えてくれることに期待したい!

(出典 www.nikkansports.com)


(出典 sportiva.shueisha.co.jp)

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