(出典 www.jiji.com) 

【日本代表】シリア戦は戦いぶりを「想像する」しかないのか…放送・配信難航は今後も続く可能性


 【ジッダ(サウジアラビア)20日=岡崎悠利】サッカー日本代表は21日にFIFAワールドカップ(W杯)アジア2次予選第2戦でシリアと対戦する。内戦下のシリアのホーム戦。このような事情で、中立地のサウジアラビア・ジッダで開催される。

 日本は16日の初戦、パナソニックスタジアム吹田で格下ミャンマーと戦った。FW上田綺世ハットトリックもあり、5-0で快勝発進。力関係からも2連勝は当然とみられるが、何よりの問題は日本のファン、サポーターがこの試合を見られるかどうか。

 国内でのTV放送に加え、生配信も決まらないまま当日朝を迎える異例の事態となっている。


 一体、何が起きているのか-。


 試合前日の20日、ジッダで森保一監督らが出た恒例の公式会見後、チームとは関係ない1人の私服の外国人に注目が集まった。

 この試合の放送権に関わっているというアラブ首長国連邦(UAE)の代理店「PRO」の最高経営責任者(CEO)、ユーセフ氏が報道陣の前で状況を説明した。

 「先週の時点で日本側からの条件を受け入れたが、2日前になって破談になった。理由はわからない」

 ここまで放送・配信が決まらなかった理由に、放送権料の高騰があるのでは? との指摘には、交渉の当初より3割から4割減額されたとし「そこは問題ではなかった」といい、法外な金額を要求してたわけではないと主張した。

 今回の試合の放送権はシリア・サッカー協会(SFA)が持っている。シリア側が経済的なうまみを考慮し“商売”することができる。だが、いつになっても放送・配信が決まらず、ついには当日を迎えてしまった。

 5日前のミャンマー戦後には、大阪・パナソニックスタジアム吹田で、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長がネットでの配信も難しいのか? などと質問され、次のように答えた。

 「それも分かりません。見合う額になれば、どこかがやってくれることがあるかもしれませんが…。この段階で時間が変わる、ベニュー(会場)も変わる、今の段階で我々はついていけていない。というか、それじゃあ、なかなか契約してくれるところはないだろうなと思いますけども。最後まで交渉は粘り強くやっていかないと。やはり、多くの人に見てもらいたい、日本の、代表の試合を。何かの方法があるんだったら、みなさんにお伝えしたい。最後まであきらめずに」

 田嶋会長は「見合う額」という言葉を使うなど、シリア側、代理店も含め、かなりの高額を要求してきたとの情報があるようだ。

 その2日後、U-22(22歳以下)日本代表が同アルゼンチン代表に勝った、静岡・IAIスタジアム日本平で同会長は、「これ以上僕らが関わるっていうレベルではないところで進んでます。簡単ではないと思います。見ていただけることが一番望ましいと思いますが…」と説明した。

 当初から、この試合はシリア国内での開催は難しいとみられてきたが、まず、なかなか開催地が決まらなかった。ようやくジッダ開催が決まったのは10月20日だった。

 さらにキックオフ時間も今月7日に急きょ、現地午後8時から午後5時45分に繰り上がった。

 ある関係者は、これは日本での放送時間を考えたものだと指摘する。

 現地午後8時は日本時間の深夜2時。繰り上げて、日本時間午後11時45分にしたことで、かろうじて視聴者を確保できそうな時間になり、放送権を買う側にとってわずかではあるがメリットが出るという。

 一方で、どんなに遅くても、日本時間の午後10時開始でなければ、放送・配信するメリットはないとする意見もある。


 日本サッカー協会の公式サイトには、この試合についての詳細情報ページがある。当初TV放送は「未定」となっていたが、試合当日は、「未定」の2文字も消えてしまっている。

 強い日本の2次予選は楽勝ムードだが、ここから来年3月26日には北朝鮮とのアウェー戦、6月6日にはミャンマーとのアウェー戦が待つ。

 どちらも、今回のように放送・配信の調整が難航しないとは言い切れない。


 放送・配信も含め、世界中のサッカーをお茶の間でも、外出先でもOKという最高の視聴環境ができあがっている中、まさかまさかの代表戦でのこの異例の事態。

 どんな苦境でも文句ひとつ言わない森保監督は、「放映がなくても、頑張っている姿を想像していただいて、応援していただければ」と話していたが、想像力にも限界がありそうで…。キックオフまで、キックオフ後はもっと、もやもやした状態が続くかもしれない。


 ◆サッカー放送・配信のいま 放送権の高騰で、従来のTV放送だけではなく、有料配信のプラットフォームも加わり、新たな局面にいる。日本がW杯カタール大会出場を決めた昨年3月のアウェーでのオーストラリア戦は、地上波TV放送なし。有料のDAZN(ダゾーン)が独占配信した。今夏、オーストラリアとニュージーランドで開催された女子W杯も、最後まで難航した。日本での中継が決まったのは開幕1週間前の土壇場だった。結局NHKが放送した。これは、放送権を高く売りたい国際サッカー連盟(FIFA)と各国の放送局などとの交渉が長期化したことによる。なお、昨年のW杯カタール大会は、インターネットTV局の「ABEMA」が全試合を無料生放送した。

(出典:日刊スポーツ)       

日本のサッカーファンが楽しみにしている日本代表の試合、しかもW杯予選が日本ではTVでもネットでも放送されない異例の事態。放送権の高騰で、今後もこういう事態が続く可能性…。お金の問題で代表戦が観れないなんて…。やっぱりサッカーファンとしては観たい!どこかに日本のサッカーファンに夢や希望を与えてくれる企業はおりませんでしょうか?