日本人の長所を活かし、まさにチーム一丸となって強豪ドイツを破った日本代表!その「団結力」を活かし、まだ見ぬ景色を!!

(出典 the-ans.jp)

ドイツ戦前日、森保監督と吉田麻也は“ある言葉”を共有していた…練習から歓喜の勝利まで、現地記者が見た「テレビ中継には映らなかった名場面」


 日本がW杯4度優勝のドイツをグループステージ初戦で撃破した。前半を0-1で折り返すと、後半に起死回生の2ゴールが決まり、劇的な逆転勝利。ミラクルを起こした森保ジャパンには世界中から称賛の嵐が降り注いでいる。

 逆転劇を可能にしたものは何か。試合前日の公式会見から試合終了後のミックスゾーンまで、現地で見たリアルな日本代表の姿とは――。

 日本対ドイツの試合を翌日に控えた11月22日。メインメディアセンターの会見場には、約100人の記者が集まっていた。フォトグラファーやテレビのクルーを合わせると150人ほど。日本、ドイツ、カタールやアラブ諸国のメディア、国際通信社が集結していた。ドイツの「腕章問題」もあり、日本対ドイツの一戦は世界中から注目されていた。

 会見には森保一監督とキャプテンの吉田麻也が出席した。質疑応答では次々と手が上がり、活発に質問が出た。17日にあった国際親善試合のカナダ戦では、海外メディアからの質問が出ず、拍子抜けといった様子だったが、20日にW杯が開幕してから一気に盛り上がりを見せていた。
 森保監督が質問に対して丁寧に答える様子はいつもと変わらない。吉田が英語メディアの質問に流ちょうな英語で答えていく姿も、もはやおなじみだ。

 そんな中、初戦に向けての心構えについて聞かれた吉田が「団結できるのが日本の良さだと思っている」と言うと、森保監督が横で小さく何度も頷いている姿が印象的だった。今までこのような様子はなかった。森保監督がいかに「団結」を重要視しているかが伝わった。

 ただ、今回の代表メンバーは26人中19人が初出場。「W杯で人生を変える」という野心を持つ若い選手たちを束ね、一枚岩になるのは簡単なことではないのではないか。


ムードメーカーを買って出た長友の意図

 そんな思いも持ちながら、会見場からメトロを乗り継いで約50分。日本代表の練習場に着いた。日本代表は今大会中、カタールの強豪クラブであるアルサッドの施設を使用している。ピッチは2面。ガラス張りの室内練習場からはピッチの様子を見ることが出来るため、左ふくらはぎの違和感で別メニューが続いていた守田英正も、「戦術練習は見ていた」という。リカバリーのための設備が充実した場所での練習は、中3日でグループステージ3試合を行なう今回のW杯に欠かせない。

 ドイツ戦の前日練習では、長友佑都の髪がそれまでの「金」から「赤」にチェンジしていた。ドーハでの日本代表合宿が始まってから、長友があえてムードメーカー役を買って出ていることは見ていて明らかだった。森保ジャパンでは冒頭15分間の公開練習の最後に全体が3組または2組に分かれてボール回しをすることが多い。通称「鳥かご」と呼ばれるこのメニューは、選手が適宜別れてグループを組むのだが、メンバーが固定しがちになっているのを見た長友は「チャンピオンズリーグ!」と声を掛けて欧州CL出場チームの選手を集めようとしたり、時には「冨安!  遠慮するな!」と選手を指名したり、顔ぶれが固まるのを避けようとしていた。


ミックスゾーンでの感情には“選手差”があったが…

 こうして迎えたドイツとのグループステージ初戦。日本は一方的に押し込まれて良いところなしに前半を終えたものの、後半は反攻に転じ、途中出場の堂安律と浅野拓磨の得点で逆転勝利を収めた。

 試合後のミックスゾーンでは、鎌田大地が「前半のままでは恥ずかしい、最悪の試合だった」と語ったように、先発組はドイツをリスペクトしすぎた45分間を総じて悔いていた。一方、点を決めた堂安や浅野は当然ながら胸を張っていた。

 ただ、この様子は、先発組と途中出場組の分断を意味するものではなかった。むしろ、それぞれがそれぞれの役割を尊重し、チームとして勝利を収めたことを誇らしく思っていたのだ。

 前半、ベンチで試合を見守っていた浅野、南野、堂安は「0-1なら行けると3人で話していた」と言い、3人とも得点に絡んで勝利に大きく貢献した。その中で堂安は、途中出場の選手がゴールを決めたことについて聞かれ、「間違いなくチームを鼓舞する勝利になった」と言いつつ、「試合前からスタメンで出る選手が45分間出し切って、俺らが試合を決めるということをチーム全体で言っていて、その通りになった」と言った。前日会見で吉田が言い、森保監督がうなずいていた「団結力」を裏付けるコメントだった。

ドイツ戦で結実した“日本の団結力”

 髪を赤く染めてプレーした長友は「ここまで派手なことをやると、もしダメだったら全部自分が批判を受ける。それくらいの覚悟でやった。それは若手にノビノビとプレーして欲しかったから。頭皮を傷つけたし、おじさんになってくるとキツい部分もありますけど、それでもやって良かったと思う」と笑ってみせた。ミックスゾーンではキックオフ前の円陣からイタリア語の「コラッジョ! (勇気、元気の意味)」を連呼して仲間に気合を入れたことを明かし、先に取材対応していた浅野に「ブラボー!」と連呼。「おまえがヒーローだ。たくさん話せ」と背中を叩いていた。

 浅野をはじめ、日本は交代選手が点に絡んだ。堂安の同点ゴールの時も、浅野の勝ち越し弾の時も、ベンチメンバーが一目散にゴールを決めた選手の元へダッシュした。その中には、ドイツ戦出場が叶わなかった守田英正もいた。守田はベンチからのダッシュでほぼ先頭を切って走り、勢いよく得点者に駆け寄っていた。ドイツ戦は大事を取って出場しなかったが、状態は順調に上向いているようだ。

 長友はこう言った。

「比べる必要はないかもしれないけど、ドイツのベンチの雰囲気と日本のベンチの雰囲気は全然違っていたと思う。みんなの熱量が高くて、みんなが一緒に戦っていた。あれは感動するレベル。ずっとみんなの心を一つに繋げることが大事って言ってたのはこういうことなんですよね」

 堂安は「試合前から、もし0-1になって、0-2にならなければサウジアラビアみたいなこともあるし、ウェールズみたいなこともあると、キャプテンがずっと話していた。まさに(吉田)麻也君が言う通り。多分初出場の選手ではその意見は出なかった。彼らの経験と若い選手の勢いが融合した勝利だと思う」とベテランに感謝した。


涙を浮かべていた吉田はすぐ冷静になった

 テレビエリアでは感無量で涙を浮かべていたと聞く吉田も、ペンのミックスゾーンに来たときはもう冷静だった。

「プラン通りに我慢して戦ったことが勝利につながった。でも、まだ1勝しただけ。ここで浮き足立たず、やるべきことに集中してコスタリカ戦に挑みたい」

 グループステージ第2戦は27日。日本がコスタリカに勝って、ドイツがスペインに引き分け以下なら日本の決勝トーナメント進出が決まる。

(出典:Number Web)      


(出典 www.nishinippon.co.jp)